八十八夜のお茶はなぜ縁起がいい?和の心に息づく季節の習わし

湯気が立ちのぼる湯のみと八十八夜の新茶。縁側で季節を感じる一杯 日常のしきたり

こんにちは、じんさんです。

「八十八夜に飲むお茶は、縁起がいい」と昔から言われてきました。なんでお茶が縁起物なんだろう?と不思議に思う方もいるかもしれませんね。

今日は、この「八十八夜」とお茶との関わりについて、やさしく解説していきましょう。日本人の暮らしに根づく、季節の習わしをひもといてみませんか。

八十八夜とは?【暦と自然が教えてくれる節目】

「八十八夜(はちじゅうはちや)」は、立春から数えて88日目にあたる日のこと。今年2025年は、5月1日が八十八夜です。

ちょうど新緑が芽吹き、茶摘みが始まる頃で、「八十八夜の別れ霜」といって、これを過ぎると遅霜の心配がなくなるとも言われています。

昔の人は、こうした自然のサインを大切にして暮らしていたんですね。まさに、自然の暦とともに生きる「和の暮らし」の一つの知恵です。

なぜ八十八夜にお茶を摘むの?【新茶は自然からの贈り物】

八十八夜に摘まれるのは、その年の「一番茶」、いわゆる“新茶”ですなぁ。

寒さに耐えてじっくり育った若芽には、旨みのもととなるアミノ酸(特にテアニン)がたっぷり含まれています。香りも爽やかで、やさしい味わいが特徴ですね。

この新茶をいただくと、「無病息災で長生きできる」と言われるのは、まさに自然の恵みをまるごといただくようなありがたさがあるからなんです。

八十八夜のお茶が“縁起物”とされるのはなぜ?

一説には、「八十八」という字を組み合わせると「米」という字になることから、“豊作”や“長寿”の象徴とされてきました。

お茶にはアミノ酸やカテキンなどが含まれ、さわやかな味わいを楽しむことができます。栄養面というより、初夏を味わう季節の風物詩として親しまれてきました。

八十八夜のお茶は贈り物にもおすすめ【和の心を添えて】

この時期に「新茶です」と言ってお茶を贈るのは、とても粋な風習です。

「お元気でいてくださいね」「これからの季節、健やかに過ごせますように」といった気持ちを込めて、手紙や一言メッセージを添えると、いっそう気持ちが伝わります。

まとめ:八十八夜のお茶で、季節を味わう心を大切に

八十八夜のお茶は、ただの“新しいお茶”ではありません。自然の節目とともに暮らし、健康と長寿を願う日本人の知恵と心が詰まった一杯なんです。

今年は、湯のみ一杯のお茶をじっくり味わいながら、「ああ、日本人でよかったなぁ」と思ってみるのも、いい時間かもしれませんよ。

じんさんのひとこと

じんさんの若いころ、静岡の親戚から「今年の新茶ができたでよ」と送ってもらったことがありましてね。封を開けた瞬間のあの青くさくて爽やかな香り――今でも覚えています。

急須で丁寧に淹れたその一杯は、まるで季節そのものを飲んでるような味でした。そんな記憶があるからこそ、八十八夜って聞くと、毎年どこかうれしくなるんです。

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